第26章 城崎温泉そぞろ歩き
鴻の湯を後にして、
歩いて3分程の場所にある
まんだら湯に移動する。
この外湯は他の外湯と違って、
温泉街のメインの通りに
面していない場所にある。
まんだら湯へ向かいながら、
ある事が気になった。
「ねぇ、港斗君…、
なんか…やたら外国人の
観光客を見る気がするんだけど」
『何か、
ニュースでやってましたけど、
城崎温泉はこの8年ほどの間に
外国人観光客が、
45倍になってるらしいですよ?
リピーターの7割が外国人って
旅館もあるぐらいみたいですよ』
45倍って数字も凄いけど、
8年前は凄い少なかったって事だよね?
昔家族旅行で来た時に
外国人観光客なんて見なかったし、
雄介さんと来た時にも…
外国人の人ここまで居なかったもん。
そんな話をしてる間に、
いつの間にかまんだら湯に着いて居て。
その外観を見て違和感を憶える。
「何か…ちょっと変わった建物だね」
『あ、流石巴さん、
気が付きましたか?
このまんだら湯は
温泉寺開祖道智上人の、
曼陀羅一千日祈願によって湧き出た
温泉だって言われてるんですよ。
でもその後800年の時を経て
熱湯に近い温度まで沸き上がったらしくて』
「じゃあ、熱い源泉を
適温にして使ってるの??」
『この話には続きがあってですね。
京都の僧日真上人が
曼陀羅を書いて泉底に沈め、
修法の結果数日にして適温に復したという
そんな由来が…あの石碑にあるらしいです』
そう言って入口の前にある
大きな石碑を港斗が指さした。
「へぇ~、そんな由来があって
まんだら湯って言うんだ…
確かに何で温泉で
まんだら?ってなるもんね」
『 屋根はそんな
縁のある仏縁にちなんで
御堂を模た造りになっていて
入口は唐破風になってるんですよ』
まんだら湯には
内風呂と露天風呂があって、
外国人の観光客が数人、
露天風呂を占拠してたんだけど。
城崎温泉が外国人に人気な理由が
そこに浸かってる人達を見て分ったんだけど。
大体のプールとか温泉施設って
タトゥーがあると入れない
ってルールがある所が殆どだから。
ググって分かった事なんだけど
旅館の内湯は旅館によっては
タトゥーNGみたいなんだけど。
外湯は7つともOKなのだそうだ。