第17章 彼と私のクリスマス
美術館好きな港斗君が言うには、
大塚国際美術館は地下3階建ての
地上2階建ての5つのフロアで
構成されている美術館で。
一番下の階の
地下3階は古代から始まり、
地上2階の現代美術へと、
階によって時代が移り変わるのだそうだ。
美術館と言うイメージにしては
かなり大規模な建物な気がするけど。
大聖堂みたいなの…が…
ある様なの…を見た事があるので。
1つ1つの展示物が大きいのかも…?
高速道路を通って、ズドンと
淡路島を北から南へと貫いて。
大鳴門橋を通って。
兵庫県から徳島へと県を超えて
すぐの所に、大塚国際美術館はある。
山の中にある…美術館って感じで。
広い駐車場の空いてる所に
車を駐めると、入口に向かった。
大人3300円のチケットを
購入して中に入ると。
凄い長いエスカレーターが
目の前にあって。
『入ってすぐに、
長い、エスカレーターですか…』
「海遊館みたい?」
海遊館のは角度が急だけど
こっちのは…距離も長いな…。
エスカレーターの先は、
カフェやミュージアムショップが
あるエリアになっていて。
そこにも大きなツリーがあるが。
すぐ目の前に見えている、
米津玄師が歌っていた場所の。
システィーナ礼拝堂を再現した
システィーナホールには
迫力のある高さ7メートルの
巨大なクリスマスツリーが飾られているが。
ホールの天井が…高すぎて。
そのツリーが7メートルも
あるのかと…言いたくなるような…。
ミケランジェロの傑作『最後の審判』が
復元されている礼拝堂の様に
椅子が並べられて居て。
クリスチャンじゃないけど、
クリスマスミサにでも来た気分になれる。
『凄いですね、クリスマスツリー。
写真、撮って貰いましょうよ。
あ、すいません、写真
撮って貰って構いませんか?』
こっちが返事を返す前に、
特大のツリーの前で
写真を撮って欲しいと
近くに居たカップルに彼が声を掛けて。
お礼に、こっちも撮りますからと
相手のカップルと交渉していた。
交渉が成立した様で、
カップルの男性に
ツリーの前で写真を撮って貰って、
お礼に彼がそのカップルの写真を
撮って、お互いに撮り合う感じで
記念撮影を済ませると。