第92章 彼のお誕生日
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こうして、秘密の場所での
彼と私だけのお誕生日パーティーの
準備はすっかり整って。
彼がケーキに立てる用の
うねうねキャンドルと数字のキャンドルを
用意していたから、頼んでいたケーキに
そのキャンドルを立てると。
コンビニで買っていたライターで火をつけた。
『本当は花火あるじゃないですか、
あれ用意したかったんですけど。
火薬は空港で取り上げられちゃうんで…』
港斗君が言ってるのは
パフェとかに刺されてたりする
あの花火の事なんだろうけど。
パイナップルパークで買った
パイナップルとハイビスカスを使った
スパークリングワインは、
ハイビスカスの色でほんのりとした
淡いピンクをしていて。
ロゼのスパークリングワインみたいだ。
シャンパングラスに
スパークリングワインを注いで。
古宇利ブルーの海を眺めながら
チンと…グラスを合わせた。
「お誕生日…おめでとう、港斗」
『やっぱり今年は、最高の
誕生日になると思ってたんですけど。
想像以上に、最高かも知れません…ね…』
毎年沖縄で…誕生日迎えたいですと
彼がそう言いながら笑って居て。
「毎年、沖縄旅行するの?」
『好きな人は、日帰りで
沖縄行くって人居ますよ?職場に。
だから別に毎年、沖縄に
誕生日に行きますって言っても
多分怒る人…いないんじゃないですかね?
って言うか…このパイナップルの
スパークリングワイン、しっかり
辛口なんですね、甘いかと思ってました』
「そうなんだよね、甘そうなんだけど
割としっかり辛口で、パインの
ほのかな甘さがあって飲みやすいかなって」
沖縄の島タコとエビを使った
カルパッチョピザも美味しくて。
ちょっとだけ、下のトースターで
温める程度にリベイクして置いたから。
アツアツな焼きたてな感じを楽しめる。
『ガーリックシュリンプ食べましょうよ。
もう、お互いが食べるんだったら
ニンニクの匂いとか気になりませんし』
お洒落なデリバリー容器の中には
美味しそうなガーリックシュリンプと
カットステーキが乗っていて。
ノーマルのガーリックシュリンプと
スパイスとバターの3種類の
ガーリックシュリンプを楽しめる。