第87章 沖縄旅行 3日目
「でも…前に…船がどうとかって…
そんな事…ちらっと言ってなかった?」
豪華客船の旅の事も
新婚旅行で考慮してる感じだったけど。
沖縄旅行に来て、沖縄が良いって
思ったからとか…なのかな?
『船は…部屋が…狭すぎて………
その長い期間……
寝るだけの部屋はちょっと…』
彼は背が高いし…ベッドが広い方が
ゆっくり休めるだろうから、
ベッドだけの部屋は…こんな部屋に
泊ったりしてたら窮屈に感じてしまいそう。
ぎゅっと…繋いでいた手を握られて。
彼の方に顔を向けた。
『巴さん…折角部屋に
プライベートプールがあるんで
試してみたい事があるんですけど…』
と…試したい事があると言って来て
その彼が試したい事と言うのは。
『巴さんは…プールでキスって
した事ありますか?』
レジャープールで…人目を避けて?
って言うのは難易度が高い気がする。
あれだけ混雑してる…から
プールのある場所の影?死角?
とかでなら出来そうだけど
プールに入ったままは無理そうだけど…。
「港斗君はした事あるの?」
『家のビニールプールで…
幼稚園の頃に來翔にされた事なら…。
あれをキスに数えるんだったら、
僕の初めてのキスの相手は
ふざけてキスして来た、
來翔なんですけど…ね』
なんか…來翔さんだったら
なんか凄いしてそうな気がする。
男の子でも女の子でも好きって
思った相手とはキスするねんでって
言いながらキスしてそうな…感じする…。
『僕がしてみたいのは…そうじゃなくて…』
そう言ってここで…と
自分の指でプールの中を指差して。
彼がしたいと言っているキスは
プールに浸かったままするキスじゃなくて
プールの中でつまり水中キスの様だった。
『潜って…水中でしたいんですよ…』
「人間は…鰓呼吸しないんだよ?」
『僕の夢を叶えてくれても
いいじゃないですか、巴さんッ。
映画であったんですって、そんなのが…』
陸でしようが水中でしようが
キスじゃないですかぁ~と
彼がちょっと酔ってるのか言って来て。
夕食の時もグラスワイン飲んでたし
ここのサービスのやつも飲んでたし
飲み足りないって言って、
買ってたストロングゼロ飲んでたし…。