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12歳年下の彼に溺愛される話

第84章 7月7日 PM編



『どうですか?巴さん』

「皮引いて刺身にしたら、
何か分からないまま
普通に食べちゃう味」

『僕も、食べてみよっと』

自分の箸でその青みのある皮がついた
刺身を1切れつかむと、自分の口に
醤油をつけて運んだ。

『見た目のインパクトみたいな
味はない感じですね…、普通な感じで』

それ以外にも沖縄で獲れる
生のマグロに…セーイカ
タコのお刺身に…サーモン
何だか金魚みたいな赤い色の
お刺身も入ってたんだけど
これはミミジャーって名前の魚らしくて。

正式な名称は、
ヒメフエダイと言う名前の魚。
このお魚も白身なんだけど
お上品な繊細な味をしていて
コリコリとした食感が面白い。

お刺身を食べている間に
夜光貝が貝殻の口に
ひっくり返した蓋を乗せて
その上に半分がお刺身になって
大皿に乗って運ばれて来たんだけど。

『大きな貝だけあって、
半分でこれだけ…あるんですね…』

港斗君が…先に食べるのを見守って
味の感想を彼に求めると。
見た目通りにサザエと鮑を
足して2で割って、
独特の癖を無くした味らしい。

どっちの癖も無くした貝??って
意味なんじゃと思ったけど
確かに癖が全然なくて…貝好きには
物足りない味の貝かも知れないけど
貝が苦手な人も無理なく
食べれそうな味でもある。

『兄さん、うちのイラブ―汁どうだい?』

そう…食堂の店員さんが彼に
イラブ―汁はどうかと勧めて来て。
何かをこそこそと耳打ちしていた。

『…あ、じゃあ…それも…
オリオンビールの
お代わりとお願いします』

何を囁かれていたのかは謎だけど、
そのイラブ―汁??を頼んだみたいで。
お店のメニュー表を見ると
2000円ぐらいするメニューだ
汁と言う位だから汁物なんだろうけど
それにしては…高い気がする。

「何注文したの?港斗君
そのいらぶ何とかって」

『ウミヘビのスープみたいですよ?
凄い元気出るみたいですよ、
沖縄では最強の滋養強壮食材だとか…』

イラブ―と言うのは、
エラブウミヘビの事で
食材自体が高価な事と、
食べられる様になるまでに
凄い手間が掛かるらしくて。
食材の状態から食べられるまで3日、
煮込む作業だけでも
10時間は必要なのだとか。

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