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12歳年下の彼に溺愛される話

第78章 布引ハーブ園



『僕は……
蛯名さんが…想ってくれてる程の
そんな……男でもなんでもない…ですけど、
僕は…恋愛とか…そう言うの…に
全然…向いてないと言うか、自信が無くて…。
今までも…蛯名さんに…嫌な思いとか
悲しい思いを…させて…来た…って
その…自覚は…してる…つもり…なんです…』

こっちが…彼女から言葉を
奪ってしまってるから…、
その…潤んだ瞳を見つめるぐらいしか
僕には…出来なかった…んだけど…。

小さく…コクンと…蛯名さんが
僕に口を塞がれたままで頷いてくれて。

『その……埋め合わせを…、したいって
僕が言える立場じゃないのは…、
理解してる…つもりです…。
蛯名さん……それを…、
僕に…許して欲しい…んです…』

話したい…と思っていた事は…
自分の言葉に…ちゃんと全部…
乗せ切れたかどうかは……この時は
自分のテンパってたから…わからないけど。

スッと…彼女から言葉を奪っていた
口を塞いでいた手を緩める。

『わっ…わたっ、私はぁ……ッ、
森園サン…みたいな…
美人じゃないですけどっ。
……お誕生日とか…記念日に…
ブランド物のバックとか、
アクセサリーとか欲しいとか
そんな事…言ったりしませんし…ッ、
そ、それに……浮気も…
絶対に…しませんしッ。
……こ、…小林サンの…事…
大事にしますからぁ~』

わぁあああん…と…周囲に響く
大きな声で泣き出してしまったので。
何?痴話喧嘩??みたいな視線が
他のカップルから注がれてしまって。
泣いている蛯名さんの手を引いて
建物の裏側の…人気のない方に…
彼女の手を引いて移動して……。
泣いている…彼女が落ち着くのを…待つ…。

『す…すいませ…んっ…、私っ
と…取り乱して…しまって…ッ…。
も…戻りましょう……生田サン達も…
もしかしたら、見える場所から
私達が居なくなって探してるかも…ですし…』

と…元の場所に戻ってみると…
一緒にここに来たはずの2人の姿も
周囲で…夜景を見ていた人の姿も…
数組…しか…居なくなってしまって居て。

慌てて…時間を…確認したら…
もう…20時12分になっていて
下から15分に、出発した便が
上りの最終便だからと…言われて
慌てて…ロープウエイに乗り込んだ…。

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