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12歳年下の彼に溺愛される話

第64章 嵐の様な夜が明けて…



昆布のプールで泳いでいる
お豆腐たちが入ったお鍋を
その上に置いてスイッチをオンにする。

「すいませんお客さんに
手伝いして貰ってしまって。
ここまで済んだら、後は…揃ったら…
お味噌汁とご飯をよそうだけ…なので」

『んじゃあアル起こすわ。
おーい、アル~朝ご飯やってさ~
そろそろ起きて顔洗い~や』

『僕…コーヒーでいい…よ…朝は…』

『んなアホな事あるかいッ、
折角巴ちゃんがはよ起きて
俺らの分も用意しれくれたんやで?』

確かに…有翔さんは
朝ご飯食べない…コーヒーだけって
言いそうな感じだから。

「とりあえず…
コーヒーも用意しますね…」

のそのそと…有翔が
脚付きのマットレスの上で
身体を起して。

『……おはよう…ございます…』

寝起きに突撃されたアイドルみたいな
凄い低いテンションで挨拶をして
そのまま有翔が、洗面所の方へと
眠そうな…目をしながら向かって行って。

『ミナト~、朝ご飯できてんで~!!』

そう…廊下に続くドアを開いて
2階に向かって來翔が声を掛けると
ガチャとドアが開く音がして、
上に居た彼も降りて来たみたいだった。

先に洗面とおトイレを済ませて、
有翔がリビングに戻って来て。
テーブルの上に並んでいる
朝食を見て…驚いてる様子だった。

『え?これ…全部朝から
友坂さんが用意してくれたの?』

「用意…と言う程の事は…
焼くだけとか…冷凍のモノとか
電子レンジとか…ですし…」

手の込んだ調理らしい調理は
全然…してない…からな…。

「あ、コーヒー…今…淹れますね」

朝ご飯食べない派の…有翔は
コーヒーが欲しいと言っていたので
巴がコーヒーを淹れて
有翔の前に置いた。

『ありがとう、友坂さん』

『なぁなぁ、アル~。
ミナトはええよなぁ~?
こんなご飯作ってくれる
巴ちゃんみたいな
家庭的な彼女がおってさ…』

『巴さんは…僕の…彼女だし…』

他の2人よりも遅れて
リビングに来た港斗が
釘を刺すような感じに
來翔に向かってそう言うと。

『でも昔から…ライトは…
ミナトの持ってるモノ…
羨ましがって欲しくなっちゃうでしょ?
すぐに…自分のモノにしようとして
ちょっかい出してたじゃない…』



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