第10章 【ヒミツの合図】
それから、この日を境に
もう一つ増えたオレ達の秘密は―――
「ねぇ…それはそうと
今日の廉、すっっごかったんだけど!」
「はぁ?気のせいやろ笑」
「いーや!絶対、そんなコトない!!
だって、骨あたって痛いからって
普段は上に乗りたがらない廉がさぁ!」
「うざっ!この人うるさいんですけどーー!!笑」
照れ隠しで大きな声をオレに被せてくる廉が
可愛くて…笑
「もう、絶対アレじゃん!
ジェラシーがいい仕事しちゃったやつじゃん笑」
「うるっさいわ!!笑
はいはい、そんなん言うならもうシませーん!」
2人で使う肌布団をぐいーっと
自分の方に手繰り寄せて包まった廉が拗ねるから
ベッドに座ってた俺は布団を引っ剥がして
引き寄せた廉の背中を胸元に抱き寄せ、耳元で囁く。
「…ダメ。またシてくんないと。」
「……よかった?」
オレの胸に頭を預けて上目遣いで聞いてくる。
「いつもイイけど、すっっごいよかった…」
「…ほーん、まぁ、な?俺も、、よかったけど、」
そう漏らす廉は照れたときお決まりの
語尾をごにょごにょと誤魔化す廉で…笑
「でね?オレ、いいこと思いついたの!」
「…嫌な予感しかせんけど、一応聞いたるわ苦笑」
「2人の合図にしようよ!」
「……何を?」
海人との会話は基本、俺がいくつか質問せんと
全容がわからん仕組みになっとって笑
TKGのくだりがその最たる例。
「濃ゆーいえっちがシたくなったら
オレはダンス仲間と動画あげるし、
廉は同期3人でインライすんの!それが合図!」
「はぁ?!?」呆れ顔で聞き返す。
「ね、よくない?!めっちゃいいと思うんだけど…!
ヤキモチの昇華の仕方としては最高じゃない?」
「そんなバレバレの合図、恥ずすぎるわ!!笑」
すっぽりと収めてた腕の中から
廉が抜け出してオレを見てくる。
「大丈夫だって!オレらにしかわかんない合図だし、
ファンのみんなだって動画上がったら嬉しいんだから
ウィンウィンだと思わない?」
「…なるほどね?……そやったわ笑
みんなの期待に応える系社長やったな苦笑」
「ふふーん♪決まりだねっ!」
2人だけのヒミツの合図が採用されてから
頻繁に動画が更新されるようになったのは…
絶対に知られちゃイケない
俺達だけの秘匿事項―――
💛Fin🩶