【呪術廻戦】あなたに殺された私は呪術師として生まれ変わる
第3章 ③
「もう伊地知じゃ相手にならないでしょ。僕と組み手やろう」
「五条さんとですか?私なんてそれこそ相手にならないのでは…」
「先輩として後輩指導のつもりでやるから、そこは気にすんな。格上相手にどう応戦するか考えながらやってみなよ」
「…分かりました。よろしくお願いします」
「よーし、それじゃ本気でかかってきな」
まずはから本気で攻めさせて力量を測った。
うん、これじゃ伊地知だと本当に相手にならないね。
力量が分かったところで彼女に合わせて僕も攻め返して、それから徐々にスピードと強度を上げていく。
彼女は最初こそ焦りはしたが、必死に追いつこうしながらも冷静な判断で無駄な動きや迷いを減らしていくことができている。
これはまだまだ伸び代があるな。
しばらく組み手を続けていたが、に疲労の色が見えてきたのでそろそろ終わりにしようと僕が仕掛ける。
彼女が攻めてきたところで腕を掴み振り払うように投げたのだが、彼女の体が予想以上に軽すぎて勢いよく飛んでいってしまった。
やべっ!と思ったのも束の間、飛んでいった彼女は受け身を取れたようで地面に倒れ込みながらもダメージはそれほど喰らっていないようだ。
すぐに起き上がって、上がった息を整えながら僕のもとへ戻ってきた。
「ありがとうございました。五条さんはやっぱり強いですね」
強いなんて言われ慣れすぎてる褒め言葉に「まぁね」なんて軽口で返したが、僕を見上げてくる彼女に内心戸惑っていた。
彼女の優しい微笑みと包み込むように温かな声色に、悪い気がしないどころかこそばゆい気持ちにさえなる。
「、また時間が合えば僕が相手になるよ」
そうして僕はこれ以降も時間があればを探し出して稽古に付き合うようになった。