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五 条 の タ ネ .

第202章 あたらしい私






「電気…付いてない…」









ようやく病室前に到着したのは良かったのですが

私が入院していた部屋の中は真っ暗のようです。

普段この時間は夕食時で

部屋の灯りは煌々とついているはずなのに…











「…ぁ……そっか……

……私…死んだから

病室にゆうたが居るはずないわ…」









軽い絶望にゆうたと逢う望みを諦めようとした時です









「五条さん可哀想ですよね。

あんなに可愛い赤ちゃんに逢えずに

亡くなってしまうなんて。」








(ん?この話し声は!)









いつかの看護師さんのひそひそ声が

聞こえてきました。








「赤ちゃんっていまNICUだっけ?」








「みたいですよー。

まだ安定してないとかでー。」








(NICU…)









NICUは聞いた事があります。

そこに"ゆうた"が居るとすれば

見ず知らずの私が自由に入れるような

ところではありません。









(諦めるしか…ないかも…)









肩をおろし

病室から離れ歩き出そうとした時でした









「キミ、だれ?」










「!!」









紙袋を持った悟さんが

私の背後に立っていました。







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