第197章 お別れの餞別
五条悟
「流石に寒いねー」
"ガサガサガサッ"
辿り着いたのは"展望デッキ"でした。
五条悟
「これで足りるか分からないけど。」
冷たい秋の風で私が風邪をひかないように
悟さんは着用していた黒いジャケットを
私の身体にかけてくれました。
「悟さんありがとうございます(*´ω`*)」
本体のお礼を言いつつ
私は図々しく悟さんの腕を掴み
ピタッとくっつきます。
"カチャ"
「(。・ω・。)ん?」
そんなタイミングで悟さんは
サングラスを外し裸眼になり
北海道の景色を見つめはじめました。
「悟さんのその裸眼…とっても素敵ですよ。
初めて悟さんの裸眼…六眼をみたとき
こんなに美しいものがあるんだなって
狐の嫁入りもあいまって本気で見惚れました。
でも本当は六眼より素敵な物を悟さんは
沢山持っていましたね(*´ω`*)
勘違いされやすいところもあるけど
あったかいところ…私は全部知ってますよ。」
五条悟
「……………」
「悟さん…
私を選んでくれたのは
祖母に頼まれてって言ってましたね。
今は気持ち変わりましたか?
まだ…そのままですか??
少しは私…悟さんの好きになれましたか?」
絶対に聞こえないのに
こんなに話しかけてしまうのは
私自身が死期を察しているからでしょう。
「…ッ………グスッ……
ごめんなさい…沢山変な事言っちゃって…」
私は悟さんの前に周り
熱くなった顔を胸に埋めます。
「…そうだ赤ちゃんの名前…
お腹の赤ちゃんの名前ですが
"ゆうた"って名付けてあげてください。
乙骨さんの願いなんです…
いろいろありましたけど
乙骨さん無事に転生出来て良かったです……」
嬉しい報告なのに次々と涙が頬を伝い流れます。