第24章 偽家族物語〜私は貴方の嫁じゃない〜
星野
「申し訳ございませんでした。
私の不手際でさんを...
使用人で手分けをし捜索しておりますが、
少々時間がかかるかと...
この償いはさんを発見次第必ず...」
着物を纏った五条家当主"五条出流"と
その奥方"五条時子"が、
五条家使用人から現状を聞いています。
五条時子
「子供を抱えているから心配だわあなた...
さんにもしもの事があったら...」
時子はと一度逢った事があり、
※は気付いてなかった※
それからはずっと愛娘のように思っている節があり
消息が分からなくなったと聞いて一番動揺している。
五条出流
「...さんの手紙が届いたという事は、
元気にしている証だよ。大丈夫さ。」
五条時子
「あなた...」
五条出流は、
"何か"を知っているようで
とても落ち着いている。
五条時子
「でもあなた、悟が獄門疆に囚われてしまった今...
...さんと孫にまで手が及んでしまったら...」
五条出流
「時子さん。
だからこそ星野達に全力で捜してもらっているんだよ。
大丈夫、きっと大丈夫さ。」
五条時子
「...そうね...あなたがそう言うなら...
無事でいてね...さん...」
五条時子は、
座敷の窓から光り輝く満月を見上げ
祈るのでした。