第168章 ケセラセラ
「これは私の見立てですが、
3人の心残りはご自分への"未練"です。
生前自身の事をとても愛していたんだと思います。
だから新しい人格や肉体への
融合を胎児の時から受け入れられず
今に至るまで自由奔放に過ごしているんです。
宿儺さん傑さんは生前、
我が強かったイメージがありますから
この見解が一番しっくりきます。
もしかしたら菅原さんは子孫の心配からかも
しれませんが…」
乙骨
「つまり…転生する時に現世の自分や想いを
全て手放せば胎児と融合して
"違和感なく"産まれ変われる
つまり自分の肉体を持てるということだよね?」
「はい…おそらくですけど。」
乙骨
「仕組みは分かったけど…
さんの胎児に転生できる確実性がないと…」
「菅原さんは悟さんのご先祖様ですし
宿儺さん、傑さんも悟さんが関わってきた方です。
もしかしたら腹貸し家に"タネ"を植える
術師と交流した事がある故人や
ご先祖様を降霊して出産するのかもしれませんね。」
乙骨
「うん、それならなんとなく納得できる…」
「でも1つだけ説明出来ないことが…」
乙骨
「なんです?」
「腹貸しは赤ちゃんに少しスパイスを加えて
出産する事が出来るので
高額な謝礼を頂けるのですが…
それは腹貸し家の身体の中に流れているという
イザナギノミコトという神様の血の影響で
特別なスパイスが加わるのか…
それとも降霊して呼び寄せた方の能力を
残したまま産むので"スパイス"が加わったように
見えてるだけなのか……これだけは説明できません。
だから乙骨さんを降霊できたとしても
今お持ちの呪力をそのままとか…
里香さんがどうなるとか…
すみません保障できません」