第167章 表裏白憎
(、だめよ流されちゃ…)
ここで感情に任せて泣いたり
慌てたり
疑心暗鬼になったらこの男の思う壺です。
(とにかく悟さんを復活させれば
状況は変わるはず。
それに集中しよう。
悟さんがまだ残っていること知ってるのは
宿儺さんと傑さんだけ…
あの2人が他に言うのは考えられない。
だからこれだけは極秘に動かなくちゃ)
「もしそうであっても
そうでなくても…どうでも良いです。
ですから家から出てください。」
私は強く男に言いました。
「フッ……なかなか面白い女。
分かったよ今日のところはまた出直すとしようね。」
男は着物の擦れあう音をたてながら
出て行かれました。
「帰った……」
男が帰るのを見届けると
私は床に腰を下ろしました。
(とりあえず…よかったわ……
それにしてもあの男の人、誰かしら……)