第103章 宿儺の娘
お母様の亡骸を埋めた帰り道、
土で汚れた全身を洗う為に
うちの脇を流れる川に肌襦袢のみで入水しました。
"ちゃぷちゃぷ..."
川の水は冷たくて、
身体の芯から冷やしてくれます。
夏の夜にはちょうどよく
ついつい長居をしていると...
「こんな時間に女が1人危ないぞ」
梅
「?」
式神の犬を2頭連れた青年が現れました。
何かを追ってきたようです。
梅
「構わないで」
(きっと呪術師の方ね。)
お母様が亡くなった今、
私が次の腹貸し家です。
呪術師の方との関わりもこれから増えて行くでしょう。
ですが今日だけは関わりたくないのです。
?
「ほら、早く川から上がれ。
家はどこだ?送る。」
黒髪で切れ目の青年は、
自分は正義の塊だとでも
自己紹介をしているような顔をしていました。
梅
「家はそこよ。
貴方の助けは要らないわ。」
"ザッザッ..."
これ以上絡まれるのも嫌なので、
私は川からあがり家に向かって歩きます。