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酸化した世界で君と詠う

第23章 共食いの災い


「社長の検査が終わったよ、概ね敵さんの申告通りだね、異能に生命力を吸われてる、意識が戻るかは微妙なトコだよ」

与謝野が部屋から出てきた

「社長を扶けましょう、国木田さん……マフィアの首領を殺すんです」
 
潤一郎は意見をするように言った

「……慥かに社長の死は絶対に避けねばならん、だが……」


その頃太宰は別の病院で傷の手術中であった

「私を置いて、死ぬなんて……絶対に許さない」

琴華は待合室で、ぼそりと言った


場所は戻り、福沢がいる病院

「与謝野女医、乱歩さんは?」

「社長の付き添いさ、相当取り乱してたよ……無理もないけどね」

「大変です!マフィアに包囲されています!」

敦が慌てたように国木田たちのところに来た
中也が重力を身にまとって、病院の屋上に着地する
その影響で建物が揺れた

「もう嗅ぎつけたのか……!」

「正面も固められています!」

「こっちはどうする?」

「焦るな」

いつの間にか乱歩が立っていた

「乱歩さん、大丈夫かい?」

「社長に“しっかりしろ”って言われた」

「意識が戻ったのかい?」

「いいや、でも聞こえたんだ……指示を出せ、社長代理」

乱歩は国木田を指差す

「必要な情報は僕が全て読み取ってやる」


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