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空回り【銀魂】

第9章 勉強会


『よ、石田くん!』

「うわっ!」

あの後すぐに石田くんを追いかけ、彼に肉まんの入ったコンビニ袋を渡す

「あ、あんた…誰だっけ?」

『先日の者ですよ…どんだけ印象薄いのよ私!!』

相変わらずムカつくところは変わんないんだな…。


すっかり日が暮れた道を二人で歩きながら喋る

『…えらいじゃん!ちょっと見直したよ』

「あ?」

『さっきの鈴花ちゃんとの話…』

「チッ また覗きかよ」

『なんだとコラ!』

…まぁ覗いてのは事実だけど。

「あんたさ…」

『んー?』

「この前何で泣いたんだよ」

え。

恐る恐る石田くんの顔を見ると彼は実に意地悪そうな顔をしていた

うわ、どっかの誰かさんにそっくり。

「俺には泣く意味がさっぱりわかんねェ」

『い、色々あるの!』

「色々?」

『うん!そ、そんな昔のことは忘れちゃったな!』

私がそう言って笑うと彼は「ふーん」と言いながら前を向く

『あ、そうだ!はいこれ』

私は先日配る予定だった高校のチラシを彼に渡した

「銀魂高校?」

『うん、私が通ってるところ!今度クラブ体験とかあるし良かったらおいでよ!』

「…でもここ偏差値低いだろ?」

『そこは素直に"行きます"って言うの!』

…そんな高くはないけど…。

『まぁでも…面白いからおいでよ!』

そう言って笑う私を石田くんはじっと見つめる

『な…なに?』

「いや、あんたも面白ェなって…」

『え、どの辺が?』

「んー…表情がコロコロ変わるとこ?」

何で最後疑問形なんだ…。

「それに笑ったら可愛い」

『そう……え?』

あれ、今この子なんと?

『え?』

「可愛い」

石田くんが!
石田くんの口から可愛いって単語が!!

『そ、それを何で鈴花ちゃんに言わないの!』

「いや、だから本当のことって言ってんだろ」

バシバシと彼を叩いている手を止める

"可愛い"なんて面と向かって言われたことのない私はただ顔を真っ赤にすることしか出来なかった

そんな私をみて石田くんは目を見開く


ど…どうしよう!!
なんか物凄く恥ずかしい!

可愛いとかかっこいいとかってこんな恥ずかしい言葉だったっけ!?

私いつも沖田にこんな恥ずかしいこと言ってたっけ!?
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