第8章 それぞれの片想い
[沖田side]
俺はほんとにどうしちまったんでェ…。
昨日は昨日であいつに想いを伝えようだなんて恐ろしいこと考えちまうし、…つーかもう思い出すだけで死にたい。
こんな気持ち…知りたくなかった。
あいつを好きになるなんて、あんな変態ストーカー女を…。
- そうゆうの全部含めて私は沖田が好きなんだから -
- 私、好きな人しか目に入らないもん -
- 好きだよ -
なんなんでィあいつ…"好き"ばっか言いやがって…恥ずかしくねーのかよ!
あの告白未遂事件の次の日、俺と吉野に相変わらず何の変化もないと言ったら嘘になる
どうやら俺は自分でも知らないうちにあいつを避けてるみてェだ
そしてこうやって昨日の出来事をどうやったらなかったことにできるか考えては項垂れている
「おい、大丈夫か?」
そんな俺の様子を見て土方さんが言う
「大丈夫って何がですかィ?少なくとも今土方さん抹殺計画を考えるくらいの余裕はありまさァ」
「あ、そう。実行する前に聞けてよかった…」
あ、もう昼飯の時間じゃねーか。
どうりで腹が減るわけだ…。
「トシ、総悟!はやく購買行かねーと焼きそばパン売り切れちまうぞ」
「わーったよ、行くぞ総悟」
「へいへい」
購買に向かう途中、近藤さんはずっと姐さんの話をしていた
「それでなーお妙さんがさ~…」
「あーハイハイ…」
購買の通りまで行くと何やら向こうの廊下のほうが騒がしい様子だった
「なんだ?あっちやけに騒がしいな」
「どうせまた誰かが暴れてんだろ」
「お妙さんかな?」
「さっき教室にいただろーが」
近藤さんの言葉に呆れたように話す土方さん
すると向こうから誰かが走ってくるのが見えた
「委員長ー!」
「山崎か!!なんだこの騒ぎ」
近藤さんの質問に山崎は眉間に皺を寄せて言った
「じ、実は…」
そのとき俺の目に映ったのは今日半日俺を散々悩ませた、あの女の姿だった