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空回り【銀魂】

第8章 それぞれの片想い


結局、沖田はあのまま目を合わせることは疎か、話もしてくれなかった

『いよいよ本気で嫌われたのかな…』

…なんて、こんなんで落ち込んでたまるものか!

吉野桜という人間は愛と勇気としつこさで出来てるんだからね!
あ、しつこいとか自分で言ってしまった!

そんなことを考えていると私の腹時計が音を鳴らす

『お腹すいた…もうお昼か』

「桜ちゃん、お弁当食べましょ」

『あ、ごめん妙ちゃん!私今日購買だからちょっと今から買いに言ってくるね』

そうだった、最近はお弁当だったからついうっかりしてたけど、お昼の購買は混むんだった!

私は急いで購買へ向かう

そして廊下の角を曲がろうとした時、数人の女子たちの話し声が聞こえた

私がその場で立ち止まったのは、何とその会話の中に私の名前が出てきたからだ

え、何?

「ねぇ、聞いた?Z組の沖田くんと吉野さんって付き合ってるらしいよ」

「えーっ!!?うそー!」

ウソオオオオオ!!?

何その話!どういうこと!?
私が聞きたいんだけど!

どうやらよくある噂というやつみたいだ

ま、まぁ沖田と私が噂されるのは嬉しい気も…しなくもなくもないけど…!

いや正直嬉しいです!

「ほらーなんか最近よく一緒にいるじゃん」

そりゃあ私が一方的に追い掛けてるからね。

「お姫様だっことかされたらしいじゃん」

……私が階段から落ちそうになった時かな?

「あ!あとキスもしたんだって!!」

…ん?それは知らない!したら覚えてるもん絶対!

女の子たちの会話を盗み聞きする私は誰がどう見ても変な人だ

「やだー!」

「ていうかさ、ぶっちゃけ似合わないよね」

「うん、吉野さん、普通だもんね。美人とは違うし、」

「まだ私たちの誰かのほうが釣り合うくない?」

「だよねー!沖田くんもきっと嫌々思ってるよ絶対!」

あー…言われてる。

こうなることは何となくわかってた。

実際沖田はイケメンだし、頭も良いし、運動もできる。

そんな沖田に優しく微笑まれたら惚れない女の子なんていないと思う…それくらい彼はモテるのだ。

それに比べて私はいたって普通…

そんな私と沖田が一緒にいることなんて当然周りの女の子たちがよく思うわけないよね。

「似合わないよね~」

『…。』
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