第7章 踏み出す勇気
『あの…ひょっとしてミツバさん……土方のこと…好きだったり?』
そう言うとミツバさんは顔を真っ赤にして目を見開いた
「えっっ!!あっ…」
こういうところは沖田とそっくりだなぁ。
『やっぱりですか!?私、何となくそうかなぁって思って…』
「そ、そんなにわかりやすいかしら!」
『はい!』
「ッ!し、仕方ないわね。桜ちゃんには特別話すわ」
ミツバさんは少し下を向いて話した
「そう、好きよ十四郎さんのこと。もうずっと前から…
年下なのに変だと思うでしょ?」
『そんなことは…』
「でもね、あの頃は年の差なんて全然気にならなかったわ」
あの頃…さっき沖田の部屋でみた写真の頃かな…。
「けど高校生になったらそーちゃんもあの人も急に大人っぽくなって…私だけ置いてけぼり。その時初めて気付いたの、ずっとあの頃みたいに…十四郎さんと一緒にいたいって…」
ミツバさん…。
「でもその気持ちが強くなればなるほど伝えることが出来なくなっていったの」
『それじゃあ告白は…』
「してないわ。 もちろんこれからも」
『いいん…ですか?』
「え?」
『本当に…このまま気持ちを伝えなくて』
私がそう言うとミツバさんは静かに目を閉じて言った
「ええ。私は…この気持ちを綺麗なまま心にしまっておきたいの」
『ミツバさん…』
「でも桜ちゃんはダメよ!ちゃんとそーちゃんと両想いにならないと!」
『ッ!わ、私だってなりたいですよ!!』
「そーちゃんは手強いわよ?」
『…嫌という程知ってます!』
…私も頑張らなくちゃ!!
ふと、時計を見ると時刻は夜9時を回ろうとしていた
『もうこんな時間!?帰らなきゃっ』
時間って経つの早いなっ!
「本当にいいの?そーちゃんに送ってもらう?」
『いえ!沖田風呂上がりになるし外出たら風邪引いちゃいますよ。大丈夫です、一人で帰れますから』
「そう…また遊びに来てね」
『はい!』
ミツバさんにお礼を言って私は沖田家を後にした