第4章 嵐再び
事故にあったあの日から、私は何だか変だ。
いや、別に元々変だとかそういうことじゃなくて…なんか頭の中がモヤモヤする。
お医者さんも身体に影響はないって言ってたし、銀八先生やクラスのみんなもいつも通り明るく接してくれてるのに…
どこか前と違うような、私って前からこんな感じだったっけ。
『おはよう土方』
「吉野…はよ」
教室に入ると私の隣の席の土方は静かに読書をしていた
相変わらず絵になるね…土方よ。
ちらっと後ろを向くと机にうつ伏せになって寝ている沖田
そういえば、沖田も何だか最近元気ないな…。
『沖田…疲れてるのかな?』
「昨日は部活も委員会もサボってやがったがな」
呆れたように言う土方に苦笑いした
…ちょっと驚かせてみようかな。
私はそーっと沖田の机の前に移動し顔を近づけ大声で名前を呼んだ
『沖田!!』
「……」
『沖田ってば!!』
「……ん、」
『おーい起きて!!』
「んだよ、うっせ…」
薄らと目を開けた沖田は私を見つめ固まった
『おはよう沖田』
笑って挨拶した時、
ガラァァッ!!と音を立てて沖田は座っていたイスから崩れ落ちた
「て、てめッ!」
沖田は顔を真っ赤にして眉間に皺を寄せた
あれ、怒ってる?
『あ、あのごごごめんね!元気なさそうだったからちょっと驚かそうと思って…睡眠の邪魔するつもりは全然…』
「…っ、もういい。喋りかけんな」
『えっ』
…やっぱり最近の沖田も…少し変だ。
一体どうしたんだろう。
『ね?土方』
「はぁ?俺に振んじゃねーよ。知らねーし」
『見てたんじゃないの!?』
「知るかァァ!」
もう、使えないな土方よ。
『ねぇ沖田』
「さっき喋りかけんなって言ったよな…」
『沖田の隣って誰もいないの?』
「無視かオイ」
沖田は一つ溜息をつくとだるそうに「ああ」と返事をした
「でも今日転校生が来るらしいわよ!」
妙ちゃんが言った
『へー!』
どんな子だろう。
「はい席につけー」
チャイムと同時に銀八先生が教室に入ってきた