第3章 距離[沖田side]
ー保健室ー
…なんだよ。
今まで散々しつこく俺んとこにひっついてきたくせに…なんなんだよあの表情。
お前は……
俺の事が好きなんじゃねーのかよ!!
えっ……… 。
一瞬自分の感情に戸惑い、頭が真っ白になった
「入るぞ沖田ー」
この声は…銀八か。
「どーしたー?腹いてーのか」
「別にただの風邪でィ…」
「そうかィ。俺ァてっきり吉野のことで悩んでんのかと思ったぜ」
「……」
クソ…嫌な大人でさァ。
「別に…何で俺があんなアホに悩まなきゃなんねーんだ」
「そうか。…これな、まだ誰にも言ってねーし、正直言っていいのかもわかんねーんだが…」
「…何ですかィ?」
次に銀八の口から出た言葉に俺は耳を疑った
「あいつ…記憶喪失なんだよ」
「はぁ!?」
俺は横になっていた体を起こし銀八を見つめた
「ちょ…それどうゆうことでィ銀八!」
銀八は静かに話す
「記憶がねぇって言ってもほんの一部で生活するにあたってそれ程心配はねェらしいが…」
そこまで言って銀八は俺を見つめた
「その一部ってのが、"自分が好きだった奴への感情"らしい」
「!」
…感情が…無くなった?
じゃあ、あいつの俺への接し方に違和感を感じたのは勘違いなんかじゃなく
あいつが…
俺を好きじゃないから