第18章 クリスマスデート
『ッ!』
その姿を見た私はまるで頭に大きな岩を落とされたような感覚になった
「君…もしかして2年前の…階段の子?」
ズキッー
そんな…
だって私はッ!
- 好きです!付き合って下さい -
- 嫌でィ -
- 私が2年前、沖田に出会ったからなの -
-まず俺ァそんなことした覚えねぇし、大体栗色髪で赤目の奴なんて他にいくらでもいまさァ。…どうせ勘違いだろィ-
- ううん、絶対沖田だもん!
私が生まれて初めて恋した人…私はそんな沖田が好きなの!-
-案外沖田君も忘れちゃってるのかもしれないわね-
-…うん、そうかもしれないね!-
違う!!
「えっ、な、泣いてる?」
いつの間にか私の目からは涙が溢れていて目の前の彼は慌てて私と同じ目線までしゃがんだ
「大丈夫か?」
あの時と同じ言葉。
栗色の髪に赤い瞳、
あぁ…私なんてことしちゃったんだろう。
胸が酷く苦しい、もう何も考えられない。
「とりあえずどこか暖かい場所に行こう」
男の人はそう言って私の肩を掴み立たせた
溢れる涙は止まらない
「…吉野?」
沖田の視線の先には私と彼がいて、だけど沖田は顔色を変えることなくそのまま背中を向け歩き出した
嫌だよ…行かないで!
私は…ッ
ぼやける視界にはもう沖田の姿はなくて私はその場に泣き崩れた
「あ、オイ!」
『…ぅッ…』
伝えたって…
- 俺たちとみんなで暮らさないか? -
どうせ一緒にいられないんじゃ、意味ないじゃんか…。
ねぇ沖田、好きだよ。
でももう私にはあなたを好きでいることも想いを伝える資格もないのかもしれない
優しく降っていた雪はやがて冷たい雨に変わった