第8章 1月
夏油side
風海と一緒に眠れるのは久しぶり。
ここのところよく眠れていなかったから、風海の香りを嗅ぎながらベッドに入る。
先ほどまで激しく交わっていたにも関わらず、疲れは感じなかった。そうさせているのは、確実に彼女だろう。
もう迷うのはやめよう。
風海の傍から離れるのはやめよう。
彼女の寝息を聞いていると眠くなってきたが、まだ寝顔を見ていたくて頭を撫でながら眺めていた。
そんな時に悟が帰ってくる。
傑「おかえり、悟」
いると思わなかったんだろう。驚いていた。
悟「んだよ。いたのかよ。で…その感じだと仲直りしたんだ?」
傑「まぁね。…色々すまなかったね。あと、3人でいることを考えてくれたみたいでありがとう。」
素直に御礼を言えば、心底気持ち悪いものを見るような目を見てくる。本当に感謝しているのだけど。
悟「大好きって言われたくらいで浮かれるなよ?俺だって言われたの聞いてただろ?」
いや、君は無理矢理言わせてたじゃないか。まぁ本心だろうけど。
というより、周りの人達の公認になりつつあることにも驚きだ。自分は常識人だと思っていたし、まさかこんなことになるとは思ってもいなかった。やはりというか、呪術師は少しイカれているくらいがちょうどいいのかもしれない。
傑「浮かれて何が悪い。愛に飢えてたんだ。少しくらい独り占めさせてくれよ。
ところで悟。年末の31日は風海の誕生日だったんだって?悟は何かプレゼントしたのかい?」
そう。悟と相談したかった。16歳の誕生日を盛大にお祝いしたい。それに誕生日を知ったのは、年が明けてからだった。硝子が教えてくれなければ、今も知らないままだったかもしれない。
悟「そうだった!アイツのお祝いしないと!」
さっきまで寝そうだと思っていたが、風海のお祝いのことを考えていると寝てなどいられない。
悟と夜な夜な相談をして、プレゼントから何から被らないように事前に計画を立てていく。悟は御曹司なだけあって、高校生らしくないプレゼント(ダイヤの指輪、着物、家etc…)を提案していたが、全部却下した。もっと風海が素直に喜びそうなもの、思い出に残るもの…がいいという結論に至った。
誕生日の準備を進めながら、今週末のパーティーのことも相談していると、いつの間にか朝だった。