第1章 リアル無人島サバイバル「ぼんおら」
「ぼんさん〜、やっぱりここ、無人島みたいっすよ〜」
「なんで俺たち、いつの間に無人島にいるんだ……」
それは、数日前に遡る──。
「次回の企画は、リアル無人島サバイバルとかどうかな?」
突拍子もない発言をしたのはドズルさんだ。
「はははっ、面白そうっすね〜」MENはケラケラと笑った。「俺たち五人でサバイバル生活っすか?」
「いいや、違う」
とドズルさんが言った時点で、やばい企画が始まるな、とおんりーはどこか他人事のように聞いていた。
「それは、ずばり……ぼんさんとおらふくんがリアル無人島に行っても、僕たちのことを思い出すか検証企画!」
やっぱりか。おんりーは目を伏せ、MENはゲラゲラと笑った。次にMENが、なんすかその企画、と問いただせば、ドズルさんはその名前の通りだと言い張る。
「キャンプの動画は撮ったことあるし、二人もさすがにサバイバル生活出来るはずでしょ」
と笑いながらドズルさんが言うものだから、本気なのかどうか分かりづらい。
「じゃあ、俺とMENで二人をドローンで撮ります?」
とおんりーが半分冗談のつもりで言ったのだが、ドズルさんはいいね、と乗り気になってきたので一瞬後悔した。
「あとはぼんさんとおらふくんをどう無人島に連れていくかだけど……」
「誘拐するしかないっすね」
ドズルさんが考える素振りを見せた時、MENが余計なことを言い始めた。おんりーはMENを小突いたが、ドズルさんの思考回路は止まらなくなった。
「なら早速計画しようか!」
こうなったらドズルさんのことを止められる人はいない。おんりーは大丈夫かなと不安に思いながらも、どこか彼の考えることにワクワク感を抱いていたのも、事実であった。