第7章 リアル無人島サバイバル「ぼんおら」7
「どうしよう、ぼんさん!」
おらふくんは縋るようにぼんさんを振り向いた。
「なんとか力ずくで……はどうにもならなそうだなぁ」
と言った後、ぼんさんはぐるりと見渡した。おんりーはすぐに岩陰にドローンを隠したが、次の瞬間MENが通信の向こうでますます騒ぎ出した。
「やばい! ぼんさんにドローン見られたかも!」
逃げて、おんりーは小さく叫んだが、自分のドローンも見つかってしまう可能性があるので、その場からでは二人の様子は分からなかった。
「何かありましたか、ぼんさん?」
その時、おらふくんの音声だけは聞き取れた。
「いや、なんかいたように見えたんだけど……」これはぼんさんの声だ。「コウモリだったかもな」
それからへへっと笑い、そんなことより早く出口を探さないとな、と話し始めた。
「あっぶねー……バレるところだったわ」
MENがあんまりにも緊張感のない声で笑うのでおんりーもそれにつられながらドローンを動かした。
すると二人は、ある何かの前で立ち尽くしていた。
「ぼんさん、これって……」
「絶対押すなボタン、だよな?」
ここでなのか。おんりーはそう思った。
絶対押すなボタンはMENがよく仕掛けた数々のドッキリ文句である。ここで思い出せば、この企画は大成功なのだが……。
「やっぱりな!」ぼんさんのよく通る声は、遺跡中響き渡ってますますよく聞こえた。「なんかおかしいと思ったんだよ……これ、MENのドッキリ企画だ」