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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



主に喜んで貰えたことが、何よりも嬉しい。
作った甲斐があった。
そして、その愛らしい笑顔を独占している日光一文字がそこにいる。

この笑顔を悲しみに染めたら容赦しないと言っていた長義は、満更でもないのだろう。

「日光ってこんな美味しいお酒を作れるんだね。知らなかった」
「…そうか?」

主とお揃いのグラスに口を付け、自分が作った葡萄酒を飲んだ。

「…………」
「どうした」
「なんでもない。ただ、日光と月見酒が出来るなんて貴重だなと思って」

この主の下に顕現しなければ、こうして空を眺めることも月の満ち欠けを気にすることもなかった。

空を眺めれば満月だけが2人を見守っていて、月明かりがいい雰囲気を作ってくれている。

「俺は月見酒なんて初めてだが」
「普段は山鳥毛の晩酌に付き合っている感じ?」
「…そうだな、だいたいは」

主はそっか、と納得しているようだった。

「たまにはこういうのも、良いでしょ?」
「ああ、悪くない」
「時々で構わないから、私の晩酌にも付き合ってね」
「御意。その時は言ってくれ」

お頭である山鳥毛との晩酌や日本号や次郎太刀みたいにわいわい飲むのもありだが、
こうして静かに飲む方が性に合っているような気もする。

山鳥毛と飲むのも良いが、主と飲むのも悪くない。

「…………」
「日光?」

〝言わなければ、何も伝わらないぞ〟

不意に長義の言葉を思い出した。

「主、聞いて欲しいことがある」

誰もいなくて、主と2人きり。
この機会を逃したら、ますます言える機会をなくすかもしない。

長義から鼓舞激励を受けたこともあり、日光は意を決した。

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