第1章 眠り姫
「……よかった…。日光、嫌がると言うか不要だと言ってくるかと思っていた、から…」
「嫌がる?何を嫌がる必要がある。
見た目も飲食を楽しむために必要な要素だと思うが?」
日光の性格から想像したら、不要だと言われると思っていたから少し不安だった。
が、今は安堵の表情を見せている。
「顔の傷は、どう?」
「もう塞がっていると思うが。主が手当てをしてくれると言うのであれば、お願いしたい」
「構わないよ、ちょっと来て」
主は救急箱を持って日光を呼ぶと主の向かいに跪座をし、主は向かいに両膝をつく。
「眼鏡、失礼するよ」
「ああ」
日光の眼鏡を外す。
眼鏡をしていない日光は初めて見るため、こんな顔をしているんだと見入ってしまう。
元北条家の宝刀と言うだけあって、顔がすごく綺麗。
「…………」
「主、眼鏡がないと見えんのだが?」
「あ、ごめんなさい」
本当に近視なのか…と思いながら頬に貼られたガーゼを剥がして傷口を確認する。
日光の藤色の瞳がこちらを見ていて、緊張してしまう。
「ちゃんと塞がってるね、これなら」
主は日光の頬にある傷口に触れた。
あの時の温かさと同じ感覚が、 頬に伝わってくる。
「この感じ、まさか…」