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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



この本丸には、刀派福岡一文字が2振。

お頭と呼ばれる山鳥毛。
そして、その山鳥毛に子猫と呼ばれる南泉一文字。

「小鳥よ、鍛刀が終わったようだ」
「はあい。すぐに行きます!」

今日の近侍は山鳥毛。
彼は同胞を動物や羽に擬え、主の事は小鳥と呼んでいる。

「3時間20分だったか」
「ええ、2振が3時間20分、もう1振が4時間」
「源氏のどちらかか、両方か。或いは鶴丸か…」

廊下を歩きながら、今回の鍛刀でどんな刀が現れるのかと
山鳥毛と話している。

「主殿、鍛刀が終わりました」
「ありがとう」

焼けた鉄や木炭の匂い。
燃える炎で熱くなった部屋に、この本丸の鍛冶職人が打った刀が3振並んでいる。

主が刀を手に取ると、付喪神が顕現する。

「源氏の重宝、髭切さ」
「大きいけれど、小狐丸」

白いジャケットを肩に羽織っている髭切と、大柄で艷やかで長い白髪を持つ小狐丸が顕現した。

「小鳥よ、あと1振あるぞ」
「うん。分かってる」

小狐丸と髭切にもう少し待っていてと言い、最後の1振を手に取る。

手に取った3振目も太刀であろう。
刀身が長く、なかなかの重量だった。

「お…?」

「右手に歴史書、左手に法螺貝。日光一文字、ここに見参である」

眼鏡を掛けた山鳥毛にも劣らない長身の刀剣男士が、顕現してしまった。
髪は濃い紫色にも見える黒髪を後ろで束ね、前に垂らしている。

「日光一文字…?」
「おお、我が翼よ。来てくれると信じていた」
「お頭、お久しぶりです」

感動の再会をしている山鳥毛と日光一文字。
その2人を鍛刀部屋に残し、小狐丸と髭切を居間へと連れて行く。

「いいのかい?あの2人を置いていっても」
「いいよ、山鳥毛がいるから。
あの2人、同じ刀派みたいだから気にすることはないんじゃないかな」

既に顕現しているこの本丸の刀剣男士達に、新たな仲間だと紹介した。
膝丸も髭切の顕現に感涙して泣いていたし、三日月宗近や岩融も小狐丸との再会を歓迎してくれているようだった。

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