第4章 in ボード(白鳥じゃないよ)
翔「………じゃ、行こう」
俺は智くんの体を反転させて自分の股の間に収めると、湖岸に向けてボートを漕いだ
俺の体の前にスッポリ収まる、智くんのサイズ感に、得も言われぬ愛おしさが込み上げる
…この人を抱きたい…
自分のモノにしたい
俺は、胸の奥底からそんな欲望が沸々と湧き上がって来るのを感じていた
ボートを岸に着けて、智くんを伴って陸に上がる
俺達は自然に手を繋ぎ合うと、出口に向かって植物園の中を黙ったまま歩いた
俺が予約を入れたホテルは、植物園から歩いて10分も掛からないような近場にあった
フロントで予約の名前を言ってチェックインの手続きを済ました他は
俺は、部屋に辿り付くまで一言も発しなかった
智くんも、俺と同じ様に、ずっと黙っていた
そして
部屋の中に入った俺達は、黙ったまま抱き合って
どちらからともなく
唇を重ねた