第4章 建前と本音
ー帰り道ー
『ねぇ…ター。』
「なんだ?」
『あのさ…ターって、学校の女の子に人気じゃん?す…す、す…』
「…。」
『す、すき…な人とかさ…いるの?』
「…いたらどうする?」
『…ッ!!そ、それは…もちろん!応援するよ!』
「チッ…。」
『だって、ターの好きな人だよ?付き合って幸せになってくれたら、私は嬉しいよ?』
「んだよそれ…」
『ん?なに?』
「…。」
『ター?ねぇ、ターって』
「なんなんだよそれ!」
『えっ!』
「お前は本気で…本気でそう思ってんのかよ!」
『ど、どうしたの!?急に?』
「俺の質問に答えろよ!テメェは本気でそう思ってんのか!俺に女ができて、本当にそれを応援出来んのかよ!」
『…ッ』
本当はキミが好きだ。きっと好きなんだ。
けど、怖くて素直に言葉に出来ないんだよ…。
キミに嫌われるのが…怖くて…。
「…ッ!!」
キミの隣に他の女の子がいるの…見たくないよ…。
無邪気に笑う姿とか、時々見せるあの妖美な姿とか。
全部全部…私だけに見せて欲しい…。
『…。わかんないよ…。(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́⌑ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝)』
「…。」
『わかんないよ!(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́⌑ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝)』
「なっ、おい待て!」
怖くて言えないよ…。素直に本音で好きなんて。