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えびまるの短編集《文スト》

第2章 試行錯誤 (太宰治)


ある日の探偵社にて

バァンッ
『あつぴーー!』

「?!!月宮さん?!びっくりした…

ていうか、あつ「ぴ」ってどういう…?」

『…何となく?』

「……、まあいいや、僕になにかあるんですか?」

『いや、別に何も』

「急に太宰さんみたいなことしないでくださいよ!」

「呼んだかい?敦君」

「うわ!?太宰さん?今日は国木田さんと市街地の方で…」

「ん?嗚呼、面倒だから国木田君に全部任せてきた!ところで、月宮ちゃん……その勢いで私のこともだざ「ぴ」(ハート)って呼んでくれても良いのだよ?」

「そうそう、月宮さん今日ちょっとテンションがおかs『はい?太宰さん何言ってるんですか?』…って全然シラフだった…」

「えー、月宮ちゃん冷たいっ…!」

「いつもの事ですよね…」

『私そんなに冷たくないと思うんですけど…』

「じゃあもう少しばかり優しくしてくれ給えよ!」

『変な人に絡まれた時のそれ相応の対応ってやつですよ』

「私月宮ちゃんから見て変な人なの?!」

「…(太宰さんも懲りないな…)」

『やっぱり、後ろに「ぴ」を付けるなら敦君が1番違和感ないかも』

「(あ、またその話に戻るんだ…)」

「違うよ月宮ちゃん、敦君は1番最後が「い」の音で終わるから「ぴ」の母音と重なって語呂がよく聞こえるのだよ…つ!ま!り!私も最後が「い」で終わるね?だからその呼び方は私にもピッタリ…」

『でもあつぴが1番呼びやすいです』

「ちぇ」

「…このやり取り何なんですか…」

「おい!太宰!!!俺が目を離した隙にサボりやがって!お前は5歳児か!!」

「国木田君さぁ…私と月宮ちゃんの幸せな時間を邪魔しないでくれ給えよー…あと私は5歳児じゃない、22歳児さ」

「22歳はもう大人だ!つべこべ言わずに仕事をしろ!!」

「えー…」

ズルズル…
国木田さんに引き摺られて連れていかれる太宰さん

『国木田さんも大変だね…』

「ですね…」
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