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えびまるの短編集《文スト》

第5章 初調査 (太宰治)



ガチャッ…

「はぁい、どーぞー」


うん…すごく笑顔じゃないですか先輩

『……お邪魔します…』



…?あれ…案外

『綺麗ですね、部屋』

綺麗というか生活感がないのほうが正しい気がするけども

「まあね、ここにいるの寝るときくらいだし」

あーそういう、
ほぼ家に居ないからかなるほど





…え、呼ばれて来たはいいけどさ…なんか気まずい
何しに来たんだっけ私…


『…』

「月宮ちゃんさ、お腹空いてる?」

『ん?…え、まあはい』

「じゃあ何か食べようか!」

え?まだ18時にもなってないんだけど…

『なにかって、なんですか?』

「なんでもいいよー、私に任せなさい」

おお、なんでもいいんですか…!めずらし…

うーんと、この辺の外食屋…

…寿司?

『じゃあ、お寿司で』

「え?お寿司?私さすがに寿司は作ろうと思ったことないのだけど…」



え、

今なんて?
作る???
え、この人が?



『料理できるんですか!!!???!』

「そんなに驚く?私をなんだと思ってたの…、太宰治だよ??料理のひとつやふたつ出来なくて何が出来るのさ」



どうやら、あまりしないが出来ないことはないらしい


それ"出来ない"とほぼ一緒じゃね?

これなんかのクイズ…?
太宰治が作れる料理はなんでしょう!
…的な?


「ちなみに買いに行くのは面倒だから今あるもので作れる料理で…」

『…私に食べたいもの聞く意味あったんですか??』


「……今ここに何があるのか私把握してないからちょっと見てくるね」

把握してないって危険では…?

台所をガサゴソと漁る太宰さん
しばらくするとにっこりしながら戻ってきた


「なにもないからさ…レトルトのカレーでいい?」

おい

『構いませんよ…』

まあ何となくそんな気がしたけど

手料理、少し楽しみだったんだけどなー…

「料理はまた今度だね…」
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