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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第12章 【合同リレー】霞屋敷のふろふき大根には柚子の皮が乗っている


「ゆずは、君に新しい柱の世話係をして欲しいんだ。」

突然産屋敷に呼ばれて頭を下げたまま固まった。

優しくゆっくりと喋る産屋敷の言葉に、ゆずははゆっくりと顔を上げた。

「はい、誠心誠意努めさせて貰います。」

産屋敷にかけられた言葉に、嬉しさを噛み締めて、ゆずはは更に深く頭を下げた。









1年前にゆずはの村に鬼が現れた。
その惨状と言ったら、今思い出しても体が震えるほどだった。


外は月明かりしか無い暗がりの中、あちこちから聞こえる悲鳴や叫び声。
そして、その中心には笑いながら血飛沫を浴びている男の黒い影。
それが【鬼】だという事はすぐに分かった。


月の逆光を浴びて、鬼の体は黒く影っているのに、その目は不気味なほど光っていて、数字の様な文字が遠くからでも確認出来た。


ゆずはを庇う様にして、その時に亡くなった両親。
まだ暖かい血を流している母親を抱きしめながら、自分もすぐに両親の後を追うだろう…。
諦めて目を伏せたその時に、オレンジ色の閃光が暗闇の中を走った。


その炎に魅入る様に、ゆずはは顔を上げた。
助けてくれた赤と金色の炎を纏った鬼殺隊員の後ろ姿。
ゆずはは自分の親の亡骸を抱きながら、その柱の背中を涙を流しながらジッと見ていた。


壊滅した村を救ってくれた柱を中心とした鬼滅隊員。
柱を中心に、生き残った村人達を鬼滅隊が手厚く救助してくれた。



「…遅くなってすまなかった」



そう言って自分の両親を抱き締めて泣いているゆずはに、炎柱の煉獄杏寿郎は顔を歪めて、自身も辛そうな顔でゆずはに向けて言った。
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