第11章 翔陽戦
木暮は一年生の時のことをに話した。
皆無理だと馬鹿にして練習をサボっている中、赤木は決してサボらず、木暮もそれに付き合っていたことを。
木「…赤木は決して挫けなかった。自分の夢を信じて、闘志を燃やし続けた。そして最後の夏、やっとその夢に手が届くところまで来たんだ。この試合に勝てば、決勝リーグに行ける。全国へ行けるチャンスを掴むことができるんだ。たとえ赤木でも固くなるのは無理ないよ。でもこれが俺たちの最後の夏なんだ。頼む。俺にも夢を見させてくれ」
は目をうるうるさせた。
「うぅぅ…うわぁーーん!!」
木「あ、天羽!?」
「ゴリ先輩…尊敬…!!メガネ先輩…めっちゃいいヤツ…!!うわぁーーん!!」
は木暮に抱きついた。
もちろん、に想いを寄せるものは皆この光景を見ていた。
木「あぁ!!あ、天羽!!みんな(とくにを好きなヤツら)の視線が痛い!よせ!!」
は木暮に引き離された。
木「何も泣くことはないだろう?ほらほら、涙を拭け」
木暮が自分のTシャツで涙を拭いた。
「ぐすっ…はい…」
そしてはチーン!と木暮のTシャツで鼻をかんだ。
木「あぁ!天羽…Tシャツが…」
は木暮の言葉を無視し、バシッと手を取った。
木「!?」
「メガネさん、絶対勝ちましょう!この試合!私も絶対に勝ちたい!」
木「あぁ、そうだな」
「ゴリ先輩ー!!」
木「赤木!!」
赤(こいつだけは絶対抑える!)
赤木は花形に対し、そう思った。
しかし、次の瞬間またしても花形に決められてしまった。
(このままだと、翔陽のワンサイドゲームになってしまう…)
藤(あの子には悪いが…この試合、湘北を完璧に叩きのめす。でなけりゃ打倒海南だなんて言ってられない。今年の翔陽は県の頂点を目指すチームだ)