第10章 発見
『降谷くん…昨日私がベランダで
萩原くんと電話してたの気づいてたんだ?』
「ベランダに出る音が聞こえて見に行ったら
お前の声が聞こえたんだよ。」
『じゃあ分かってるでしょ?
私が萩原くんに無理言って頼んだの!
だから萩原くんのこと怒らないであげてよ…。』
「……。はぁ、分かったよ。次はないからな。」
『ありがとう!!』
ため息をつきながらだけど、
しぶしぶ許してもらえて良かった…!
「もう少し話していたいが
そろそろ仕事に戻らないといけない。また連絡する。」
『あ、うん。大変だね…頑張って!』
「ああ。…じゃあな?」
『っ!?』
降谷くんは車を降りる前に
私の頬へちゅっ、とキスをしてそのまま出て行った。
彼がいなくなった後、私は助手席で頬を押さえて
しばらく放心状態のまま動けずにいた…