第5章 拠り所
あれから暫くして研究所もやっと修復された、だけどそこに戻ることはなかった。何故か分からないが食事から魔力を生産できるようになったらしい、データ集めや検査の為に出向く事はあるが私はこれまでのようにティナの部屋で休んでいた。
人間と顔を合わせて軍内で生活するようになってから周りの対応が少しだけ変わったような気がする。実験材料に対する接し方ではなくて、人間扱いをされるようになったような……。
最近のケフカ様は忙しいようでデータの確認と食事で顔を合わせる程度だ、私は一日のほとんどをティナのお守りに費やしていた。いや、もしかしたら私が居ることでティナから解放され研究に没頭しているのだろうか……?本人はなにも言わないのでその辺は分からない。
ただ分かるとしたら……なんだか遠くなったということだ。
ケフカ様は私に興味を失ってしまったのだろうか、それは……すごく……寂しかった。