第10章 未定
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数日の航海の後、前にみた浜ではなく別の場所から大陸に降り立った。ドマへの侵攻は宣戦布告なく行われる。とはいえ、リターナーの撲滅が理由なので話は通っているようなものらしい。
「さっさとしろォ!お前らなんか置いてって僕ちんが一人でぶち壊してやっても良いんですよ!?」
ケフカ様の怒号が飛んだ。魔導アーマーも数が多いと行進するにも幅を取る。私はケフカ様の操作するアーマーに抱えられるようにして収まっていた。理由は踏み潰しそうだから、なので恐ろしい。ドマとの交戦は起きていない、帝国とは違い大陸中に兵を置いて掌握している訳ではないらしい。
レオ将軍はやはり、ちらりとケフカ様に目をやっただけで何かを言う訳でもなかった。最高指揮権はどうやら将軍というだけはあり、レオ将軍にあるらしい。
そのわりにはケフカ様が暴言を吐いたり暴れることにそこまで干渉してこない。怯える訳でもなく部下思いなのだとしたら、それは何だか違和感のある光景だった。
「はあ、頭がおかしくなりそうです」
うんざり、と言ったようにケフカ様は肩をすくめた。私も暇をもて余し落ち着かずに身動ぎをする。するとそれに気がついたケフカ様が私の耳元に唇を寄せた。
「ひっ、ちょっと……なにするんですかケフカ様」