第4章 それぞれの道。
『ほかの人が創った歌を、
自分の中途半端な歌唱力で歌うくらいなら、
へたくそでも一生懸命に
自分が創ったメロディと言葉で歌う方が
カッコいいと思った。
僕は、そっちを選んだ。』
あまり自分の心の奥の核の部分を
言葉にして話すことを好まない錦戸くんが
退所後しばらくした頃
インタビューでこんなことを答えていて。
その言葉どおり独立してから
全ての楽曲を作ってる錦戸くん。
その錦戸くんが独立後初めてまわったツアーを
実は、、端っこで観ていた俺。
もちろん、楽屋挨拶に行ったりもせずに、
イチ観客として…。
ステージの上の錦戸くんは
相変わらず
カッコよくて可愛くて…
だけど、
感極まって泣いていた。
それを観たファンも俺も
気がついたら泣いていた…。
自分ががむしゃらに作ってきた曲を
ファンのみんなが愛してくれて、
楽しそうにしてくれてる姿を
ステージの上から目の当たりにして…
きっと、それは
錦戸くんが思い描いていた景色で
幸せな光景だったんだろうと思う。
だから本当に…
ものごとは善悪不二なんだよね、きっと。
自分が信じようと決めた人と一緒に
夢を見続けていけたら…
そこはきっと、
誰が何と言おうと
愛と幸せに満ち溢れた世界なんだと思う。
前は、錦戸くんにもっと頑張れって言われて
泣くことしかできなかった俺だけど、
次は胸を張って話せるように。
今まで以上にメンバーを信じ愛しぬいて、
ファンのみんなの夢でいつづけたいと思っています。
***
錦戸くん。
いまのNEWSは
対等に言いたいことも言い合えて、
なんなら、言わなくても理解し合える…
お互いがお互いの信頼しあえる存在に
ようやく、なれた気がしています。
錦戸くんがあの頃…
『自分から殻破らなわかり合えんねん!
殻破れ! 破らんとドツくぞ!笑』
怖がられるかもしれないリスクを犯してまで
そう言ってくれていたことの意味を。
『僕が一番怖いのは…人間ですね。』
『自分、ごっつ切ないこと言うてんの気づいてる?
そんなん、お前も悲しいかもしらんけど
俺らも悲しいわ…。』
錦戸くんの悲しみの奥の優しさを
ようやく、知ることができた気がしてます。