第11章 *迎えに行くから 【黒尾鉄朗】
「じゃあまたね」
「おう。おやすみ」
「…うん。おやすみ」
プツッ…プーップーップー…
あっさりと電話が終了する。
ホントはもうちょっと話していたかったな…
なんて、クロには絶対言えないな。
クロは東京、私は宮城。
私たちは世に言う遠距離恋愛をしている。
私は親の仕事の都合で東京を離れ、宮城に来た。
そして今、私は烏野高校男子バレー部の女子マネージャーとして活動している。
だから、クロに会えるのは音駒と烏野の練習試合の時だけ。
次はいつ会えるのかな…。
会いたくて会いたくてしかたがない。
なのにクロは
なんだか平気そうなんだ。
ねぇ
こんなに好きなのは
私だけですか?