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ニートと黒猫。

第2章 気持ちと名前


カーテンの隙間から日差しの注ぎ込む部屋。

まだ夢の中の俺にとある災難が起きる。
それは腹部辺りに小さな重みを感じた時から始まった。

うっすらと目を開けると、俺を見下すあいつが。

「…クロ」

「朝だぞ、起きろ」

黒い髪から対象的な白肌が覗き見える。

徐々に頭が回り始め、俺は今の状況を理解することができた。

暗い部屋。個室。そして俺の上に跨るクロ。

…なんだこれ。

展開が色々急過ぎて硬直する俺を差し置き、
クロは見下ろしながら口を開く。

「…起きないと悪戯するぞ」

昨日とは違う艶かしい声色でそう呟く。

それと重なる様にぎし、とベッドの軋む音がより自身の心臓を跳ね上がらせる。

嫌々待て!

俺は男、クロも男、こんな行為して言い訳がない!

てか行為って考えてる俺はもう駄目なのか!?

考える暇も無く、跨るクロは屈み顔を寸止めで近付けて来る。

またもドキン、と心臓が跳ね上がる。

じっ、と見つめる大きな黒い目。
よく見るとまつ毛が長いのが分かる。
それで余計に女に見えてしまう。

嗚呼、やっぱりこいつ可愛い顔立ちしてんな。

そう思った瞬間、俺の何かが飛んだ。

「っ…!?」

力任せにクロの姿勢を崩し、今度は俺がクロに覆いかぶさる様な体制となった。

「クロ…」






メリッ


「いっ……てええええ!!!!!」

下半身に走る痛み。

俺は大事な場所を抑えながら転げ悶えた。

「あ…起こしてやろうとして近付いたらいきなり覆いかぶさって来るもんだからつい…」

そう"現実"のクロは小さな声で呟いた。

痛みと共に羞恥心で満たされた俺は数分…
嫌、数時間蹲る事になった。

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