第8章 気まぐれ
私の上へと覆いかぶさった五条先輩は、バサッとティーシャツを床へと脱ぎ捨てる。
白く日焼けを知らぬような美しい肌。
綺麗に割れた腹筋。
こちらを見下ろすその妖艶な表情は、自分の一つ上とは思えないほどに色気たっぷりで、そして女性ですら敵わないほどに美しいとそう思った。
逞しくも綺麗な腕が、私の服をたくし上げ捨て去っていく。
私は目の前の五条先輩の顔へと手を伸ばすと、そっとサングラスを外した。
この綺麗な色を直接見ていたい。私をどう見つめ、どんな表情をするのか。一瞬ですら見逃したくはない。
サングラスをベッドの端へと置くと、再び五条先輩へ腕を伸ばし首元へと絡めた。くいっと引き寄せるようにして力を込めれば、先輩は慣れた手付きで私の顎をなぞり頬をなぞり唇に優しく触れたあと、再び甘いキスを落とす。
「…ふっ…」
舌先が触れるたび、身体に熱が放たれる。
スルリと簡単に脱がされた私の下着は、五条先輩の手によってぐちゃぐちゃになった服達の中へ落とされると、そのまま優しい手つきで下肢へと手が伸びて来る。