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海軍日誌

第5章 ミニオン島へ


ロシナンテのドンキホーテ海賊団への潜入からもうすぐ4年が過ぎようとする頃電伝虫が鳴った。

ープルプルプル…プルプルプル…ガチャ

「はい。」
「…悪い。手を貸して欲しい」

電伝虫の向こうにいるのはロシナンテだった。
4年ぶりの兄妹分からの電話は簡潔に要件だけ伝えられた。

「珀鉛病のガキを救いたい。なんとかなりそうなんだが、痛みと熱が酷すぎて見てられねぇんだ。医者は何処も頼りにならねぇ…助けてくれ。」

との事だった。
珀鉛病は何年か前に地図から消えてしまった白い町で流行った病だ。感染症だなんて言われ孤立無援になってしまったが真実は私には分からない。
けれど、ロシナンテが助けたいというのだから力になりたいと思うのは当然だろう。

景色全てが白く美しかったらしいその町の生き残りが居るとは意外だった。

あの情に脆いロシナンテの事だ見過ごせなかったのだろう事は容易に想像がついた。

潜入捜査はどうしたのだろうかとか、4年も連絡を寄越さなかったくせになんなんだとか頭を過ぎるが、声を聞いた瞬間全て吹き飛んだ。

「もうお前しか頼れねぇんだ。頼む。」

ロシナンテのそんな泣きそうな声最後に聞いたのは何時だっただろうか。
小さい子供の頃だろう。
今は泣き言なんて言わないから。

そして、瞬時に理解した。

私にしか頼れないのは私の悪魔の実の能力が必要なのだろう。

「どこ?どこに行けばいい?」

すぐに簡単に荷物をまとめてデスクの上に暫く離れる旨を書いたメモをのせ、誰にも何も言わずに海軍支部を出る。

行き先はミニオン島。

海軍の小さい船を一隻拝借する。
軍艦は大きすぎて扱えないし、目立ちすぎる。

ミニオン島はがいた島からはかなり離れていたが、間に合うのだろうか。
切羽詰まった様子だった。もう少し余裕を持って声をかければ良いのにとも思ったが、ロシナンテの性格上無理だったんだろうとため息を吐く。

今まで連絡もせずに私と関わろうとしなかった事を考えるとギリギリまで迷ったんだろう。

の能力は分ける事。

痛みを自分に分けるこの能力を知っているロシナンテもだいぶ悩んだ事だろう。
このワケワケの能力は相変わらずセンゴクさんとロシナンテしか知らない。
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