第4章 おまけ的な兄弟の話
ある日海賊船で海を渡っている時、海軍の巡視船とかち合ってしまったのだ。
巡視船の甲板には遠くからでも分かる空色の髪が見えた。
いついかなる時も無言で無表情を貫いていたのに、この時確実に一瞬ではあるが動揺してしまった。
あの空色はだ。
そして何を思ったのかドフラミンゴはに向かってなのかたまたまなのか…能力での肩を撃ち抜いた。
遠目から見ても分かった。
肩口を抑えながら指示を飛ばし、気が付いたら巡視船はあっという間に離れていった。
もどかしかった。
隣で支えられなかったのが。本当なら駆け寄って応急処置をしてやりたかった。
その時ドフラミンゴは巡視船を見ながら不敵に笑みを浮かべていた。
まさか関係に気付かれたかと思ったがドフラミンゴからロシナンテにこの事を聞かれることは無かった。ドジはバレなかった…のか?
そしてアジトに戻るなりドフラミンゴは誰かと電伝虫で話をしていた。
ナギナギの無音になる能力を使いこっそり盗み聞きした。
相手は恐らくドフラミンゴの相棒ヴェルゴだろう。
「特徴は?」
「フフフ…遠目だったからなァ。見た感じ背は大きくねぇな、標準よりチビだ。胸もそんなに無かったような…あァ髪は空色で後ろで高く結んでたな。」
「分かった。調べてみるよ…しかしその女がどうかしたのか?」
すぐにわかった。だ。
を調べてどうするつもりだ?
さっきが初対面だったし、だいぶ遠かったはずなのに何故気にする?