第23章 第二十二話 アルマ・カルマ
「ねぇ、起きてる?」
もしかして、起きてる?キミ?と話しかけられて、アレンは呆気に取られた。
起きてたら手上げてみてと言われ、アレンが手を上げる。
目の前の少年は、誰だ?とアレンは思った。
先程まで北米支部にいたはずだ、しかしここは見覚えのない場所。
近くにはユキサが倒れている。
アレンを見ていた少年が、ぱぁぁあ!と目を輝かせた。
やった!!と叫んだ少年が、アレンを飛び越えて行く。
穴のようなところにコポコポと液体が溜められており、そこへ少年が話しかけていた。
あれ?なんだ、僕に言ってたんじゃなかったのか…と少し恥ずかしい思いをしたアレン。
ユキサの体を抱き起こしながら、神田~?とアレンは呼んだ。
その時、少年が驚くべき言葉を言う。
「キミはね!YUってゆーんだって!」
「え…?ユー??」
「ユ、ウ…?」
驚いたアレンの腕の中で、ユキサがぴくりと反応を示した。
うっすらと開いた目が、少年を見る。
「ユキサ、よかった…ここは」
「アルマ…」
「え?」
意識が戻りきってないユキサが、その名を呟いた。
同時に、少年・アルマも穴へ向かって照れたように言う。
「ぼくはね…Almaってゆーんだって…」
はっぴーばーすでぃ、ユウ!
アレンの頭の中は絶賛大混乱中。
ユキサはぼぅ…としながらも、じっと状況を眺めていた。
「支部長に『2人目』だって伝えてきて!あと丹薬の用意、大至急!」
「うっす!」
「エドガー博士、ふくものいるよ、ふくもの!白衣脱いでー!」
はいはい、とエドガーと呼ばれた男がアルマへ近づいた。
液体の中から出てきたユウ…もとい、神田の体に白衣を被せる。
「ここは、神田の過去の記憶の中みたい」
「………」
「…?アレン、大丈夫??」