第15章 第十四話 江戸
「その鍵、信じてみる?」
「それしか方法はないでしょうね…」
彩音の言葉に答えたアレン。
問題は誰が鍵を使うか…。
全員が顔を見合わせて、じゃんけん…と声を出した。
「こ、このドアでいいですかね?」
「なんでもいいんじゃないかな?」
自分がやらないからって呑気な…とアレンは不二を軽く睨む。
じゃんけんで見事に負けたアレンが鍵を扉へ差し込んだ。
「アレンってじゃんけん弱いんだね…」
「彩音もギリギリだったけどね」
彩音とユキサがそんな会話をしていると、扉がボンッ!と音を立ててメルヘンチックな扉へと変化した。
振り返ったアレンが、右手を差し出す。
「絶対脱出!!です!」
ラビ、リナリー、チャオジーが手を乗せる。
顔を見合わせたユキサ、彩音、不二もその上へ手を乗せた。
「神田~…」
「やるか」
アレンが呼ぶが、神田の返答にですよね、と笑った。
行くぞと先に扉へ入る神田にユキサが駆け寄る。
一瞬だけ神田の右手をギュッと手を握って、絶対脱出しようねとこっそり呟いた。