第12章 モブリット誕生日 帰る場所
今回の壁外調査は巨人に遭遇する率が低かった だからではないけど気が抜けていたのか 突然地面から巨人の手が伸びてきて私の馬を掴んだ
馬が倒れ私の体は投げ出され地面に転がった すぐにトリガーのレバーを引く――…
反応が無い!!
落馬した時にどこか破損してしまい全くアンカーを射出する事が出来ず走るしかない そうなれば立体起動装置はただの重たい荷物にしかならない
幸いにもブレードの装着は出来たから ブレードでワイヤーを切り落とし 立体起動装置を捨てブレードだけを手に巨人の足の健を切り裂き地面に倒してからうなじを削いだ
こんな時に陣形の最後尾だなんて 全くツイてない
しかもパニックになったのか馬まで居なくなってしまった
「こりゃ…さすがに死ぬな――」
エルヴィンとミケに恩返しがしたくて調査兵団に入って副兵長にまでなったのに油断したあげく犬死にもほどがあるよ
ラッキーなのは目視できる範囲に巨人は居ない事ともうすぐ日暮れだという事
夜に少しでも目的地まで移動できれば助けが来るかもしれない
まぁ―…死んだと思われてしまう可能性が高いけどさ…
゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜
「リヴァイ――!!アンナがいないって…」
「あぁ…最後尾のアンナだけ まだ着いてねぇ」
東を見ると夕陽が地平線にかぶっている あと30分ほどで暗くなってしまうだろう
南東の方…来た方角を見ると馬が駆けて来るのが見えた
拠点まで駆けてきた葦毛の馬はアンナの馬だが鞍の上は空っぽで泥が毛に付いていたから おそらく転倒したんだろう…
馬は首を上下に揺らして興奮していた
「オイ…どこに行くつもりだ?」
馬を引いてきた俺の前にリヴァイが立つ
「南東だよ――南東にアンナが1人で…」
「死んでるかもしれねぇぞ」
「そうだね――生きてるかもしれないだろ?」
リヴァイと対峙する俺を新入りの団員達が驚き見ていた
まぁ―…無理もない 人類最強と呼ばれ兵長にまでなったリヴァイと ハンジ分隊長に振り回されている副隊長がにらみあっているのだから―…
「俺も行く」
しばらくにらみ合いリヴァイが折れた