第6章 モブリット ヤキモチ
こんな状況でもモブリットは冷静さを取り戻し アンナの乱れた姿を廊下を通る他の団員に見せない為に執務室に入りドアを閉めた
書類を持つ手と反対側の手をアンナの肩に乗せる
「アンナ!ちゃんと起きて!」
「どうしたの?モブリット怖い顔してる…」
アンナだけが今の状況を分かってない
「モブリット誤解だ ちゃんと説明出来るから聞いてくれ」
慌てたリヴァイは珍しくいつもより大きな声を上げた
その声に今度はアンナが驚き大きな声を上げる
「リヴァイ!なんで居るの!」
「アンナ…ここはリヴァイの執務室だよ?それにその…どうしてそんな姿なの?」
「まてまてまてまて!俺はマントとジャケットとブーツは脱がせたがズボンまで脱がせてねぇぞ!」
「はあぁ!?」
「夜中にテラスでお前が泥だらけで寝てたからだろ!しっかり思い出せ!」
「ふっ…はははっ…色々と誤解がある事は分かりました ちゃんと落ち着いて話をしましょう
取り敢えず朝食を持って来ます その間にアンナはズボンを履いてボタンも留める! 兵長も着替えて下さい」
混沌とした空気をモブリットは一掃して執務室から出て行った
すっかり目が覚めたアンナがリヴァイを改めて見ると
髪は乱れていて 鋭い三白眼はさっきまで焦っていたから開いていたけど 誤解が解けて安心したせいか 寝起きのせいか 今は半分しか開いてない
全体的に気だるそうなリヴァイは妙な色気があった
「リヴァイにも色気ってあったんだね…今の感じなかなかいいよ」
「お前は早くズボンを履け!」
「鍛えすぎてウエストのくびれはないけどお尻から足のラインは自信があるんだ この足どうよ?」
「はぁ…朝から うるせぇ…馬鹿が」
そんな無駄口を言い合いながら2人は身支度を整えた
モブリットが戻ってくるまでの間アンナは自分の机に山積みになっている書類に目を通し
リヴァイは小さなキッチンで紅茶を淹れた
「ほら紅茶だ」
アンナの手元の邪魔にならない所にティーカップを置く
「相変わらずいい香りだ…ありがとう」
香りを嗅いでからアンナは紅茶を一口飲むと また書類に目を戻した
リヴァイはアンナが寝ていた反対側のソファーに座り いつもの持ち方で紅茶を飲む テーブルの上にはちゃんとモブリットの分の紅茶の入ったティーカップを置いた