第9章 愛して《ドンキホーテ・ドフラミンゴ》
『いひゃいれす…』
「…」
何も言わずにただずっと頬を掴んでいた。
気が済んだのか、スっとどこかに消えていく。
『…なんなの、』
「リン」
急に名前を呼ばれて返事をすれば少し悲しそうな表情をしたドフラミンゴが居た。
「俺から逃げるな、消えるな」
何を感じてそう言っているのだろうか。裏切るつもりなどさらさらないとずっと言っているはずなのに、なぜ信じてくれないのだろう。
『逃げませんし、わたしはずっと貴方のそばに居ますよ』
そう言うと優しく抱きしめられる。
少し震えているのは気のせいだろうか。
なぜ彼がこんなにも不安がっているのか、
それは…
【なぜ俺が実の家族を2度も殺さなきゃならないんだ!!】
【ロー!愛してるぜ!!】
運命の時まであと数日後…
愛して《ドンキホーテ・ドフラミンゴ》〜完〜