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脱兎 !

第1章 五条。



 








 『―――百葉箱!?』
 「うん」





 『……そんな所に特級呪物、保管するとか…。馬鹿過ぎるでし
 ょ』

 「アハハ。でもおかげで、回収も楽でしょ」

 


 いつもだ。

 そんな呑気に事を構えて、この人じゃ無かったら如何せん、
もう自分は死んでたろう、と伏黒は思う。

 


 普通は特級呪物を野放しにするだなんて有り得ないのだが、
彼女が絡むと、事態は一層、形を変えてくる。









 そう、野暮なことを言うなれば、五条 星来だからだ。
 言葉は要らない。とても些細なこと。 


 星来は、そんな事などはつゆ知らず、1人大福を頬張っていた。

 『……ないですよ』
 「え?」








 『―――――――――百葉箱、空っぽです』

 秘かに口角を釣り上げる星来。
 その目は、人智を超えた聡明さと潔白で溢れているのにも関わらず、強く見開かれるままの輪郭を描いていた。




 「マジで? ウケるね(笑)」
 『ぶん殴りますよ……』

 「やだ〜恵オトメの事殴るだなんて。ほんと野蛮だなぁさす
 が!!」

 『オトメって歳になってから言えよ』













 「……………」



 「…恵それ回収するまで帰ってきちゃ駄目だから」
 『えっ、はァ!?、ちょっとっ、あの』


 
 【通話終了】。
 
 「………28はオトメだろ」
 ギリ。




































 「今度マジで殴ろうあの人……」

 此処にも、秘かに五条への企てを決意した者がひとり。
 
 

 
 五条先生。
 

 


 




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